また一方では、エストロゲン(cestrogenic)の特性を持ったイソフラボン(isoflavones)やイソフラベン(isoflavene)にも関連している。ミロエステノール(mircestrol)はステロイドではなく、生物学的活動は分子幾何学上、偶発的に生まれた特徴の結果であるのだろう。ミロエステノール(mircestrol)の3-OHから18-OH までの実際の距離は10-3A.で、これはエイトロディオル(cestradiol)の3-OHから17-OHのモデルで予測できる距離とほぼ近い数字である。しかし、ミロエステノール(mircestrol)の17-OHの配列とケストリオル(cestriol)の16-OHをそれぞれ3-OHと比較すると、類似性はそんなにない。しかしながら、この繋がりからミロエステノール(mircestrol)はより有力なエストロゲン(cestrogenic)であるということは注目をする価値がある。
(ト) 部分的臨床試験
試験はロンドンのチェルシー女性病院でP.M.F.ビショップ博士とその同僚によって行われた。
ミロエステノール(mircestrol)を10人の女性に投与。10人の内訳は以下の通り;無月経の女性(初期段階:2名、第二段階:7名)、人工閉経の女性(1名)。彼らに1日5mgmを5回、また1日1mgmを別に6回投与。これらの投与の後で、顕著なエストロゲン(cestrogenic)反応が膣スミアにおいて確認でき、角化係数の最大上昇は投与後2,3週間で起こることが分かった。エストロゲン(cestrogen)の消退出血が6回(3回の投与:5日から10日の投与で毎日1mgm、3回の投与:2日から14日の投与で毎日5mgm)の投与において発生しなかった。しかし、以前にエストロゲン(cestrogens)投与を受けた事のある患者に限っては常に消退出血が発生した。消退出血は5回にわたって発生したが、どの場合も投与をやめて7日から18日後に発生。したがって、消退の感覚が経口によるエストロゲン(cestrogens)摂取よりも随分長かったということになる。3回の投与(1mgmを毎日7日間、5mgmを毎日8日間、5mgmを毎日14日間)中毒作用は見られなかった。残りの9回の投与において、中毒作用(倦怠感、頭痛、吐き気、場合によっては嘔吐)が見られた。1mgm投与の場合が5mgmの場合よりもこれといって少ない中毒作用をもたらしたということではなかった。0.1mgmの投与による実験が試みられる。4回の投与によって胸の張り(拡大)、柔和感が増しており、これらの変化は5mgm投与の際に更に強く、頻繁に見られた。2回の場合においては、乳頭の色素沈着が見られ、その後いくらか持続性もあった。人工閉経の患者の場合、顔面潮紅が14日間の投与の間、最初の週に消え、投与をやめた5日後からまた再開。
記載した限られた経験を考慮すると、生成されたミロエステノール(mircestrol)は膣スミアにおいてエストロゲン(cestrogenic)反応を示した。比較的反応は遅く、その効果もある程度長持ちし、常に消退出血を引き起こすわけではなく、今までに試されている服用の中では好ましくない中毒作用を引き起こす傾向もある。
好ましくないミロエステノール(mircestrol)の副作用に関しては、経口摂取でのエストロゲン(cestrogenic)の高度な活動があるにも関わらず薬としてこの物質を使用する事は好ましくないようである。構造を部分修正することで有効的なエストロゲン(cestrogen)を生成することは可能かもしれないが、すべての分子を統合することが困難であることは明確である。そして商業的に実行可能でない。また、ミロエステノール(mircestrol)の構造が新しいものであるにも関わらず、上記に記したとおり、すでに知られているエストロゲン(cestrogen)に関連しているところがあり、その構造や活動関係に関して思っていたような新奇性がない。それにも関わらず、ミロエステノール(mircestrol)は興味深いいくつかの特徴を持ち、その生物学的特性に関する更なる研究が進められている。
(参考文献)
1 Folley, S.J., Biochem. J.,30, 2262 (1936).
2 Folley, S.J., and Scott-Watson, H.M., Lancet, ti, 235, 428 (1938) Folley, S.J., Scott-Watson, H.M., and Bottomley, A.C., J.Dairy Rs., 12, 1 (1941). Hutton, J.B., J. Endoorin., 17, 121 (1958).
3 Bartlett, S., Folley, S.J., Rowlamd, S.J., Curnow, D.H., and Simpson, S.A., Nature, 162, 845 (1948).
4 Legg, S.P., Curnow, D.H., and Simpson S.A., Biochem. J., 46 xix (1950). Pope, G.S., Elcoate, P.V., Simpson, S.A., and Andrews, D. G., Chem. And Indust., 1092 (1958). Bate-Smith, E.C., Swain, T., and Pope, G.S., ibid., 1127 (1953). Pope, G.S., and Wright, H.G., ibid, 1019 (1954). Pope, G.S., Dairy Sci. Abstracts, 16, 333 (1954). Pope, G.S., McNaughton, M.J., and Jones, H.E.H., J. Dairy Res., 26, 196 (1959).
5 Schoeller, W., Dohrn, M., and Hohlweg, W., Naturwiss., 28, 532 (1940).
6 Butenandt, A., Naturwiss., 28, 533 (1940).
7 Kerr, A., J. Siam. Soc., Nat.Hist. , Supp., S, 886 (1932).
8 Vatns, S., Thai Sci. Bull., No. 4, 3 (1939).
9 Lakshnakara, Kashemsanta, Suvatabandhu, K., and Airy Shaw, H. K., Kew Bull., 549 (1952)
10 Lakshnakara Kashemsanta, Suvatabandhu, K., Bartlett, S., and Pope, G. S., Abstract Ninth Pacif. Sci. Congr., Thailand, 74 (1957).
11 Jones, H.E.H., and Pope, G.S., J. Endocrin., 20, 229 (1960).
12 Benson, G.K., Cowie, A.T., and Hosking, Z. D., J. Endocrin. (in the press).
13 Bounds, D. G., and Pope, G. S., J. Chem. Soc., 3696 (1960)
14 Taylor, Noel E., Hodgkin, Dorothy C., and Rollett, J. S., J. Chem. Soc., 3685 (1960).
15 Robinson. R., メThe Structural Relations of Natural Productsモm 42 (Oxf. Univ. Press, 1953).
|
|